オールカマーは、毎年9月に中山競馬場で開催される芝2200mの重賞競走であり、1955年に創設されました。
その名前には、「全ての馬にチャンスを与える」という意味が込められており、ステイヤーからマイラーまで幅広い適性を持つ馬が出走する伝統的な一戦となっています。
また、このレースは天皇賞(秋)やジャパンカップ、さらには有馬記念を目指す実力馬たちの秋始動戦としての意味合いも強く、注目度の高いレースです。
過去10年のデータから見える傾向
ここでは、オールカマーの過去10年のデータから見えるポイントについて解説します。
中山芝2200m
オールカマーが行われる中山芝2200mは、外回りコースを使用しており、スタート直後に急坂があるのが特徴です。
このコースでは、スタミナだけでなく加速力やコーナリング性能も求められるため、オールラウンドな能力が問われます。
さらに、ゴールまで約200mの直線には急な坂が待ち構えており、最後まで力をためていけるか?が勝負のカギを握っています。
このため、脚質では逃げ馬や先行馬が有利となっています。
過去10年では、4角5番手以内の馬が6勝を挙げており、その傾向を後押しするデータとなっています。
人気馬有利の傾向
オールカマー過去10年のデータを分析すると、5番人気以内の馬が圧倒的に優勢であり、10勝全てを挙げています。
その一方で、7番人気以下の馬からの勝ち馬は出ておらず、馬券に絡んだケースもわずか5回(0-1-4-69)という結果です。
そのため、馬券の組み立ては上位人気馬を中心に6番人気馬までを絡めると良いでしょう。
また、特に1番人気と2番人気の信頼度が非常に高いため、無理な穴予想はしない方が良いです。
好走馬の前走に注目
過去10年のオールカマーで、好走する馬に共通して見られるポイントの一つが前走です。
特に、前走がG1の馬、もしくはG2といった重賞レースに出走している馬が好成績を挙げています。
例えば、前走で宝塚記念や札幌記念といったG1やG2からの出走馬は仕上がりが良く、レースでも安定した結果を残しています。
その一方で、前走条件戦からの挑戦馬は、上位に入るのが難しくなっています。
そのため、オールカマーでは、前走重賞組を中心のレースと言えます。
牡馬と牝馬の割合
オールカマーは、牡馬にとっても重要な一戦ですが、牝馬の好走も見逃してはいけません。
過去10年のデータでは、牝馬が5勝を挙げており、その活躍が際立っています。
特に、2022年のジェラルディーナは、オールカマーを勝ってその後G1のエリザベス女王杯も勝利しています。
そのため、高い能力を持つ牝馬には十分注意する必要があります。
また、牝馬については、近走での好成績や上位人気にランクされている場合、馬券に組み入れた方が良いです。
若駒と古馬の比較
G2競走であるオールカマーでは、馬齢による成績の差が見られます。
特に、4歳馬と5歳馬の好走率が高い傾向があり、過去10年間で優勝馬の大半を占めています。
その一方で、6歳以上の馬は経験豊富であっても好走率がやや低くなっています。
そのため、オールカマーに関しては、4~5歳馬中心で馬券を組み立てた方が良いです。
父系と母系の影響
オールカマー過去10年のデータでは、血統が重要な要素になっています。
芝2200mという距離では、スピードだけでなくスタミナが求められます。
そのため、父系ではステイゴールドやハーツクライといったスタミナを有する血統を持つ馬の好走例が目立ちます。
また、母系に芝中距離のG1で活躍した血統がある馬の好走例も多くなっています。
天候・馬場状態による傾向
オールカマーは9月の開催であり、天候や馬場状態が成績に大きな影響を与えまています。
過去10年のデータを見ると、稍重から重馬場では後方からの追い込み馬よりも、4角5番手以内でレースを進めた馬が好成績を収める傾向があります。
その一方で、良馬場の場合は決め手を持つ差し馬が好成績を挙げています。
このように、レース当日の馬場状態やレース傾向を見極めた上で馬券を組み立てると良いでしょう。
2025年の注目馬
2025年の登録馬には、過去のG1馬レガレイラやヨーホーレイク、そして安定した成績のドゥラドーレスが含まれています。
特に、ヨーホーレイクは重賞でも数々の実績を誇り、得意な距離である2200mの舞台で好走が期待できます。
また、レガレイラは牝馬で昨年のG1有馬記念を勝っており、有力な一頭と言えます。
その一方で、上がり馬として注目されるリビアングラスやホーエリートは、前走でのパフォーマンスから穴馬として期待が持てる一頭です。
オールカマー2025のまとめ
オールカマー2025の過去データにおける注目ポイントは下記の通りです。
- 4角5番手以内の逃げ・先行馬が優勢
- 当日5番人気以内の馬の活躍が目立つ
- 前走G1またはG2から参戦している馬が優勢
- 牡馬牝馬の優劣にあまり差がない
- 4~5歳馬の活躍が目立つ
- 父系にスタミナ血統が入っている馬が有利
- 当日の馬場状態によって脚質の有利不利がある