今週末に、春のクラシックへの最重要ステップレース「共同通信杯」が開催されます。
ただ、このレースは単なるGIIIではありません。
過去の勝ち馬にはエフフォーリアやスワーヴリチャードといった後のG1馬が名を連ね、まさに「出世レース」の代名詞。
そこで、東京芝1800mという、ごまかしの利かない舞台で試される若駒たちの真の能力を、過去10年(2016年〜2025年)のデータから読み解いていきましょう。
レース基本情報
共同通信杯は、東京競馬場の開幕3週目に行われる伝統の重賞です。
- レース名: 共同通信杯(トキノミノル記念)
- 開催場: 東京競馬場
- 距離: 芝1800m(左回り)
- 馬場状態: 例年、この時期の東京は良好な芝状態が保たれやすい
- 格付け: GIII(3歳オープン、馬齢)
過去10年の優勝馬一覧
過去10年の勝ち馬を振り返ると、非常に質の高いメンバーが揃っていることがわかります。
| 開催年 | 優勝馬 | 性齢 | 騎手 | 人気 |
| 2025年 | マスカレードボール | 牡3 | 坂井瑠星 | 1人気 |
|---|---|---|---|---|
| 2024年 | ジャスティンミラノ | 牡3 | 戸崎圭太 | 4人気 |
| 2023年 | ファントムシーフ | 牡3 | C.ルメール | 3人気 |
| 2022年 | ダノンベルーガ | 牡3 | 松山弘平 | 3人気 |
| 2021年 | エフフォーリア | 牡3 | 横山武史 | 4人気 |
| 2020年 | ダーリントンホール | 牡3 | C.ルメール | 3人気 |
| 2019年 | ダノンキングリー | 牡3 | 戸崎圭太 | 3人気 |
| 2018年 | オウケンムーン | 牡3 | 北村宏司 | 6人気 |
| 2017年 | スワーヴリチャード | 牡3 | 四位洋文 | 2人気 |
| 2016年 | ディーマジェスティ | 牡3 | 蛯名正義 | 6人気 |
【考察】
特筆すべきは「3番人気」の強さです。過去10年で5回(2025年データを加味すると4回)勝利するなど、1番人気よりも信頼度が高い年が目立ちます。また、戸崎騎手やルメール騎手といった東京巧者のジョッキーが確実に結果を残しているのも特徴的です。
注目ポイント
- 3番人気の勝率が驚異的に高い
- 4〜6番人気の伏兵も頻繁に勝ち切る
- 1番人気は意外と勝ち切れない(過去10年1勝)
枠順分析
枠順別の成績を見てみましょう。(※頭数により枠の有利不利が変動します)
| 枠順 | 1着 | 2着 | 3着 | 着外 | 勝率 | 連対率 | 複勝率 |
| 1枠 | 2 | 1 | 1 | 6 | 20.0% | 30.0% | 40.0% |
|---|---|---|---|---|---|---|---|
| 2枠 | 1 | 1 | 0 | 8 | 10.0% | 20.0% | 20.0% |
| 3枠 | 0 | 0 | 0 | 10 | 0.0% | 0.0% | 0.0% |
| 4枠 | 1 | 2 | 2 | 5 | 10.0% | 30.0% | 50.0% |
| 5枠 | 1 | 2 | 0 | 10 | 7.7% | 23.1% | 23.1% |
| 6枠 | 3 | 0 | 2 | 10 | 20.0% | 20.0% | 33.3% |
| 7枠 | 1 | 2 | 3 | 11 | 5.9% | 17.6% | 35.3% |
| 8枠 | 1 | 2 | 2 | 13 | 5.6% | 16.7% | 27.8% |
【考察】
1枠の複勝率40%や、6枠の3勝など、内から真ん中の枠が安定しています。興味深いのは3枠が過去10年一度も馬券に絡んでいない点。少頭数なら影響は少ないはずですが、不思議なデータです。全体的にはフラットですが、4枠の複勝率50%も見逃せません。
注目ポイント
- 1枠・4枠・6枠の好走が目立つ
- 3枠は過去10年で全滅の鬼門枠
- 外枠(7〜8枠)も壊滅的ではなく、実力通りに走れる
人気分析
人気別の信頼度を深掘りします。
| 人気 | 1着 | 2着 | 3着 | 着外 | 勝率 | 連対率 | 複勝率 |
| 1人気 | 1 | 3 | 2 | 4 | 10.0% | 40.0% | 60.0% |
|---|---|---|---|---|---|---|---|
| 2人気 | 1 | 0 | 2 | 7 | 10.0% | 10.0% | 30.0% |
| 3人気 | 4 | 1 | 1 | 4 | 40.0% | 50.0% | 60.0% |
| 4〜6人気 | 4 | 5 | 2 | 19 | 13.3% | 30.0% | 36.7% |
| 7人気〜 | 0 | 1 | 3 | 39 | 0.0% | 2.3% | 9.3% |
【考察】
とにかく「3番人気」が最強です。勝率40%は1番人気の4倍という異常な数値。一方で1番人気は勝率こそ低いものの、複勝率は60%と高く、軸としては機能します。また4〜6番人気の中穴が4勝を挙げており、ここをどう拾うかが馬券の鍵となります。
注目ポイント
- 単勝を買うなら3番人気から
- 1番人気は2〜3着に据えるのが効率的
- 7番人気以下の大穴は頭までは厳しい
前走距離別成績
前走で走っていた距離の影響を確認します。
| 前走距離 | 1着 | 2着 | 3着 | 着外 | 勝率 | 連対率 | 複勝率 |
| 1600m | 1 | 5 | 1 | 24 | 3.2% | 19.4% | 22.6% |
|---|---|---|---|---|---|---|---|
| 1800m | 1 | 3 | 4 | 12 | 5.0% | 20.0% | 40.0% |
| 2000m | 8 | 2 | 5 | 32 | 17.0% | 21.3% | 31.9% |
【考察】
「前走2000m組」が過去10年で8勝と圧倒的です!ホープフルSや京都2歳Sなどの中距離重賞を使われてきた馬が、距離短縮で高い適性を見せます。逆に1600mからの延長組は勝率3.2%と苦戦しており、スタミナ重視のローテが理想です。
注目ポイント
- 前走2000m組は無条件で高評価
- 1600m組(朝日杯FS等)は勝ち切るのに苦労する
- 1800mの同距離組は複勝率が高く安定
前走着順別傾向
前走の着順が本番にどう影響するか。
| 前走着順 | 1着 | 2着 | 3着 | 着外 | 勝率 | 連対率 | 複勝率 |
| 1着 | 5 | 4 | 3 | 21 | 15.2% | 27.3% | 36.4% |
|---|---|---|---|---|---|---|---|
| 2着 | 2 | 1 | 2 | 7 | 16.7% | 25.0% | 41.7% |
| 3着 | 1 | 1 | 1 | 6 | 11.1% | 22.2% | 33.3% |
| 4〜5着 | 2 | 3 | 1 | 15 | 9.5% | 23.8% | 28.6% |
| 6着〜 | 0 | 1 | 3 | 24 | 0.0% | 3.6% | 14.3% |
【考察】
前走1着だった馬が5勝と勢いを見せますが、実は前走2着馬も勝率16.7%と優秀です。特に新馬や未勝利、1勝クラスを勝ち上がった直後の馬(下級1着)が通用しやすいのがこのレース。大敗からの巻き返しは、過去10年で頭までは一度もありません。
注目ポイント
- 前走1着・2着馬が中心
- 下級クラス勝ち上がりの勢いは本物
- 前走6着以下の大敗馬は割り引き
前走クラス別成績
参戦クラスによる格の違いを分析します。
| 前走クラス | 1着 | 2着 | 3着 | 着外 | 勝率 | 連対率 | 複勝率 |
| 新馬 | 2 | 3 | 2 | 8 | 13.3% | 33.3% | 46.7% |
|---|---|---|---|---|---|---|---|
| 未勝利 | 0 | 0 | 0 | 6 | 0.0% | 0.0% | 0.0% |
| 1勝クラス | 4 | 2 | 1 | 16 | 17.4% | 26.1% | 30.4% |
| G3 | 0 | 1 | 3 | 11 | 0.0% | 6.7% | 26.7% |
| G1 | 2 | 4 | 0 | 11 | 11.8% | 35.3% | 35.3% |
【考察】
驚くべきことに、重賞組よりも「1勝クラス」組が4勝を挙げ、勝率でもトップです。また、新馬勝ち直後の馬も複勝率46.7%と非常に高い数値を誇ります。G1組の実績は当然評価すべきですが、それ以上に「底を見せていない上がり馬」が強いレースです。
注目ポイント
- 1勝クラス組の勢いが凄まじい
- 新馬勝ちからの直行は複勝圏内なら鉄板級
- 未勝利勝ち直後は苦戦傾向にある
前走脚質別傾向
最後に、どのような戦法を得意とする馬が狙い目か。
| 前走脚質 | 1着 | 2着 | 3着 | 着外 | 勝率 | 連対率 | 複勝率 |
| 逃げ | 0 | 1 | 0 | 3 | 0.0% | 25.0% | 25.0% |
|---|---|---|---|---|---|---|---|
| 先行 | 3 | 6 | 3 | 23 | 8.6% | 25.7% | 34.3% |
| 差し | 5 | 2 | 4 | 27 | 13.2% | 18.4% | 28.9% |
| 追込 | 1 | 1 | 3 | 17 | 4.5% | 9.1% | 22.7% |
【考察】
「中団」から競馬をしていた馬が5勝と、最も勝ち切るチャンスが多いです。逃げ馬には厳しい一方、上がり最速(1位)をマークして好走してきた馬は勝率15.4%と優秀。やはり東京の長い直線で、じっくり溜めて弾けるイメージの馬を狙うのがセオリーです。
注目ポイント
- 前走で中団待機していた馬が狙い目
- 前走「上がり1位」の末脚を使っていた馬は最重要視
- 逃げ一辺倒の馬は、東京の直線で捕まる可能性が高い
まとめ
- 3番人気を絶対視せよ: 1番人気より信頼できる「真の主役」は3番人気。
- 2000mからの短縮組: スタミナ十分な馬が、東京のタフな直線を押し切る。
- 1勝クラス・新馬組の底力: 既成勢力(重賞組)よりも、勢いのある上がり馬を狙え。
- 上がり最速の脚: 前走で最高の末脚を見せた馬が、ここでも輝く。
- 500kg以上の馬格: 東京の坂を力強く駆け上がるにはパワーが必要(前走500kg超えは連対率優秀)。

